VOICE お客様インタビュー

新規導入
TBCグループ株式会社様

労働環境の改善と「働き方改革」を推進するために、一刻も早く、
ICカードによる出退勤管理システムを導入する必要があった。

労働環境の改善と「働き方改革」を推進するために、一刻も早く、<br>ICカードによる出退勤管理システムを導入する必要があった。

エステティック業界最大手のTBCが今、日本有数の「働き方改革」推進企業として期待と注目を集めている。その取り組みの手始めは、ICカードによる勤怠管理システム『ちゃっかり勤太くん』の全社導入だった。TBCの挑戦と『勤太くん』導入の歩みを振り返る。

従業員2,200名が、全国約200店舗で働いている。そう聞いただけで、その労務管理の大変さは想像に難くない。エステ業界最大手のTBCが、いかにして「働き方改革」を推し進め、今に至るのか。しかもその歩みの始まりは、『ちゃっかり勤太くん』の導入時期とも符合している。まずは、導入の経緯からうかがった。

全サロンの労働環境を調査したところ、手書きの出勤簿とタイムカードの弊害が見えてきた。


TBCグループ株式会社 執行役員 人事総務部長 長南進亮様

TBCでは労働環境の改善を図るため、2015年末から2か月かけて、全国の主要サロンを中心にサロン環境のヒアリングを実施したという。当時はまだ手書きの出勤簿とタイムカードによって労務管理を行っており、その弊害が明らかになった。「手書きと手計算でしたので、その事務作業の負担が大きかったこと。もう一つは、残業申告をしづらい状況になっていたのではないか?ということですね」。人事総務を預かる長南さんはそう振り返る。「時間外労働は出勤簿に自ら手書きして提出するのですが、各人の裁量で申告していました。結果的に正確な残業時間が把握しづらい状況に陥っていました」。調べてみると、運用ルールも店舗ごとに少しずつ異なり、残業の実態がかなり不透明だったようだ。店舗数や従業員数の多さゆえの難しさだろう。「すぐにでもICカードによる出退勤管理システムの導入を」となり、エイ・アイ・エスに声がかかった。

エイ・アイ・エスだけが「2か月で導入」を提示。そのスピード感は他社を圧倒していた。

TBCグループ株式会社 人事総務部係長 山﨑功様

「何社かに相談したところ、多くの会社から準備期間に6か月欲しい、と言われたが、エイ・アイ・エスだけが準備期間は2か月で良い、との返答。そのスピード感はありがたかったですね。おかげで機を逃さずに導入できましたから」。今や社内スタッフから「Mr.勤太くん」とも称されている人事総務部の山崎さんが当時をそう振り返った。その後、カードの打刻タイミングなどの全社統一の運用ルールを策定し、全店舗の店長を集めて教育。あわせて、店舗スタッフ一人ひとりの声を吸い上げる「相談窓口」を開設し、2016年12月16日から導入をスタート。まず本社200名に、続いて営業エリアごとに4段階に分けて『勤太くん』を導入。2017年5月16日に全店舗への導入が完了した。
2,200名を超える大人数へのシステム導入である。スムーズに進んだのだろうか。

TBCさんは社員教育が徹底されていて、マニュアル作成にもなれていましたので、こちらが助けられた部分は大きかったですね。

株式会社エイ・アイ・エス クラウド事業本部長 仲村俊彦

「段階的に導入していったので、大きな問題はなかったです」と担当の仲村が言う。山崎さんも「事前に仲村さんと充分な意見交換をしていましたし、操作マニュアルなども独自に作成して店長に伝えていましたのでスムーズでした」と応じた。「TBCさんの作られたマニュアルがとてもわかりやすくて、社員教育も徹底されているので、逆にこちらが助けられた部分は大きかったように思います」。たしかにエステ機器の複雑な技術マニュアルを作ることに比べれば、TBCにはたやすいことだったに違いない。
また同時期に、TBCが「勤務間インターバル制度」を導入したことも『勤太くん』に変化をもたらした。エイ・アイ・エスでは、TBC向けに「勤務間インターバル」機能を開発。今では『勤太くん』の標準機能として装備されている。お互いを補完しあおうとする良好な関係が生みだした産物だ。
さて、こうして導入された『ちゃっかり勤太くん』は、その後、TBCにどんな効果をもたらしたのだろう。

スタッフの勤務状況、労働時間をリアルタイムで把握できるようになり、当日の欠員補充などがスムーズに。

「一番大きいのは、スタッフの勤務状況をリアルタイムで把握できるようになったことですね」。山崎さんの話を長南さんがつなぐ。「組織上、店長の上に5~8店舗を管理するオペレーションマネージャーがいて、『勤太くん』を通じてリアルタイムで状況を把握しています。おかげで当日欠員などの補充がとてもスムーズになりました」。それはきっと店舗運営だけにとどまらず、顧客サービスの面でも効果を発揮したことだろう。「管理する側の事務作業も減りましたし、本当にラクになりました。そのぶん、時間外労働の多い店舗の把握や労働状況の改善に時間をかけられるようになりましたね」と山崎さん。
では、現場スタッフの方々の評判はどうだろう。

日常的な事務作業が減ったので、ラクになった、という声は多いです。スタッフが業務に臨む「心のスイッチ」にもなっていますね。

TBCグループ株式会社 マーケティングPR戦略部 広報室 名越華子様

「パソコン操作になれるまでは少し時間がかかったようですが、今では単純に、ラクになった、という声が多いです。計算ミスもありません(笑)」と長南さん。取材に応じてくれた紅一点、広報室の名越さんが話を受ける。「その日や当月の残業代がすぐに計算できて、一目でわかるのはうれしいですね」。「また、現場のエステシャンには、『勤太くん』が気持ちの切り替えにもなっているようです。カードをかざした時の「おはようございます!」の声で仕事モードのスイッチが入る。「お疲れさまでした!」に癒される。働く女性には気持ちの切り替えって大事ですから。女性が9割の職場なので」と女性ならではの視点でエピソードを披露してくれた。『勤太くん』はスタッフの労働意識を高めることにもつながっているようだ。

労働時間への自覚が生まれて、スタッフ一人ひとりの労働意識が変わった気がします。

「一番変わったのは、従業員それぞれの労務への意識だと思います」と長南さん。「『勤太くん』によって労働時間がリアルタイムで否応なく目に入ってきますから、時間外労働の是非や自分の働き方をそれぞれが考えるようになった。以前は労働時間や時間外労働をイコール給料として見ていたフシがあったのですが、今では時間という観点から働き方を顧みるようになった気がします」と長南さん。『勤太くん』が働き方を見つめ直すきっかけになっていたとしたら、うれしい限りだ。

『勤太くん』導入から約1年半(2018年12月現在)。導入によって様々な効果がもたらされたのは、確かなようだ。
『勤太くん』導入によって、今後期待できるメリットについてもうかがってみた。

労働状況が可視化され、透明性がもたらされたことで、今後の求人への効果を期待しています。

「今は少子化も進み、求人を維持するのがとても難しい時代。求人確保のために、職場環境は重要な要素です。そんななか『勤太くん』は、私たちの職場環境に透明性をもたらしてくれています」。そんなありがたい言葉を発してくれたのは、長南さんだ。聞けば、来期も450名の求人を確保できているという。もちろん『勤太くん』のみならず、TBCの地道な企業努力のたまものであろう。TBCの推し進める「働き方改革」が実を結び始めた証でもある。

TBCが推し進める「働き方改革」とは?
人が財産。ブラックとかホワイトではなく、クリアな企業を目指して。

『勤太くん』導入に先んじて、TBCは2016年8月にエステ・ユニオンと「ホワイト求人労働協約」を締結。これは残業時間や有休取得日数等の企業情報を常にWEB上で公開するという新たな試みだ。当時、「ブラック」なイメージが根強かったエステ業界の印象を変えるべく、エステ・ユニオンという第三者機関と協力のもとエステティックのリーディングカンパニー自らが乗り出す、という意思表明でもあった。
2017年1月、『勤太くん』導入と時を同じくして、「勤務間インターバル制度」を導入。勤務間インターバルとは、勤務と勤務の間に一定以上の休息時間を義務づける制度のことだ。欧州連合(EU)では一般的な制度だが、日本で取り入れている企業はまだ数える程度。もちろんエステ業界では初だ。TBCは休息時間を9時間と定めた。「実際、9時間を食い込むほどの過重労働はほぼ見られない状況でしたが、導入することで、内部スタッフの意識を変えてもらおう、という狙いがありました。自分の労働時間は適正なのか、労働基準法に即しているのか、働き方や労働時間について一人ひとりが考える良いきっかけになれば、と」。長南さんはそう語る。たしかに「働き方改革」は、ただ会社が主導すれば実現できる、というものではない。会社の取り組みと社員の意識が一つになって初めて実現できるものだ。勤務間インターバルの導入を、その足掛かりにしようとしたわけだ。
「エステ業界は人が商品で、人が財産ですから」と長南さんは語る。TBCの「働き方改革」は社員を大切にしたい、という想いの一環なのだ。社員の9割が女性という職場。男性と違い、ライフステージによって働き方が変わるのが女性だ。今も年70~100名が産休や育休で休職中という。それらを補い、スムーズに業務復帰できる環境を整えているのがTBCなのだ。もし何らかの事情で離職した場合でも、再雇用制度で積極的に受け入れ、また「ワークライフバランス社員」などの新たな制度も導入し、TBCの「働き方改革」は今なお現在進行形にある。そんなTBCの最終ゴールはどんなものなのだろう。
「時代に逆行しているかもしれませんが、全社員の終身雇用です」。長南さんの回答は明快だった。聞けば来年、60歳定年を迎える、初現役エステティシャンの終身雇用社員が2人誕生する、という。離職率が高いといわれるエステ業界では画期的なことに違いない。それだけスタッフが働きやすい職場環境ということだ。
「だからこそ求人の段階が大事なんです。エステ業界ではかつて詐欺まがいの求人が横行し、求人の段階でミスマッチが生じたり、高い離職率の原因になっていた。それを払拭するべく、私たちは社内外にできる限りの情報を開示して、労働環境の透明化を心がけてきました」。なるほど、TBCが目指しているのは、ブラックとかホワイトではなく「クリアな企業」という姿なのだ。
「その透明化の一助になってくれているのが、他ならぬ『勤太くん』なんですけどね(笑)」と長南さん。いくぶんリップサービスも含まれているとは思うが、これほどうれしい言葉はない。

ご担当者様の声

『勤太くん』は、従業員のためのより良いサービスであり、「縁の下の力持ち」。 働き方のセーフティネットとして、たいへん役立っています。

導入後のメリット

勤務状況がリアルタイムで把握でき、当日の欠員補充がスムーズに。
労務管理の事務作業が減り、環境の改善に費やせる時間が増えた。
労働時間に対する自覚が生まれ、スタッフの労働意識が変わった。

TBCグループ株式会社

会社名 TBCグループ株式会社
施設所在地 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル43F
代表取締役 手塚圭子
設立 1976(昭和51)年3月
事業内容 エステティック業
化粧品・エステティック関連商品の研究開発及び販売
従業員数 2,200名(2016年4月末現在)
URL https://www.tbc.co.jp/

日本全国に約200の直営店舗を展開するエステティックの最大手企業。
2015年末より全社をあげて、労働環境改善への取り組みを開始し、第三者機関エステ・ユニオンとの「ホワイト求人協約」の締結、「勤務間インターバル制度」の導入など「働き方改革」を積極的に推進。「働き方改革」のリーディングカンパニーとして注目を集めている。